<< April 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 『早稲田大学校友会・東京都23区支部大会』 | main | 夏目漱石『漱石 傑作講演集』・『漱石 人生論集』 >>

ガンディー著『獄中からの手紙』、『ガンジー自伝』

0

    ガンディー著・森本達雄訳『獄中からの手紙』(岩波文庫)

    ガンジー著・蝋山芳郎訳『ガンジー自伝』(中公文庫)

     

     NHKEテレ「100分de名著」の2月放送で取り上げたのはガンディーの『獄中からの手紙』でした。また、先日にNHKBSでは映画『ガンディー』が放映されました。なぜいま、ガンディーなのか。

     憎しみが憎しみを生み、報復が報復を生み、怨みがさらなる恨みをかう。こうした憎悪の悪循環を止める手段を人類は持っていないのでしょうか。宗教は無力なのか、或いは宗教が悪意を生み出しているようにも思えます。また政治はどうか、政治家に道徳倫理をもとめるのは、ない物ねだりのようにも思えます。道徳も倫理も力を失っているようです。

     だからこそ、いまガンディーの歩んだ道、語った言葉がより一層の重みを増しているようにも思えます。

     

     ガンジーの自伝は、1920年12月ナグブルで開かれ、インド独立史上記念すべき政治集会となった、全インド国民会議派のナグブル年次大会を記述した「ナグブルにて」を最終章として、続いて読者に対して「別れの辞」が記され、終わりとなっています。

    そのため、ガンジー自伝は、1920年代と30年代、40年代と三つの年代それぞれ一度づつ、ガンジーの天才的な政治指導の下に、反英独立運動の大きなうねり高まったこと、その結果、1947年8月、英領インドはついに独立を達成したということにはふれられていません。なかでも、無気力な大衆を反英に導いた1930年3月の有名な「塩の行進」も書かれていません。以下は『ガンジー自伝』の「別れの辞」からの引用です。

     

     普遍的な、そしてすべてに内在する真実の精神に直面するためには、人は最も微々たる創造物をも、同一のものとして愛することが可能でなければならない。しかも、それを追求する人は、あらゆる生活の分野から離れてはならないのである。これが、真実に対する私の献身が、私を政治運動の分野の中に引きこんだ理由である。しかもわたしは、なんのためらいもなく、またきわめて謙虚な気持ちで、宗教は政治となんら関係がないと言明する者は宗教の何であるかを知らない者である、と言うことができる。

     あらゆる生命を持つものを同一視することは、自己浄化なしには不可能である。自己浄化なしに守られた非殺生の法則は、虚しい夢に留まってしまわなければならない。神は、心の清らかでない者には、けっして実現されないだろう。だから、自己浄化は、生活のすべての歩みのなかの浄化を意味するものでなければならない。また、浄化は、非常に伝染しやすい自我の浄化であるから、必然的にその人の周囲の浄化になっていくのである。

     しかい、自己浄化の道は困難で、かつ険しい。完全な純潔を達成するためには、人は思想において、言葉において、行為において、絶対に喜怒哀楽の情から解放されていなければならない。愛と憎悪、愛着と嫌悪の相反する流れから、超越していなくてはならない。

    とらえがたい喜怒哀楽の情を克服することは、わたしにとっては、武器の暴力によって世界を征服するよりも、はるかに困難なことに思われる。

    私自身を無に帰せしめなければならない。人は、自由意志から、自分を同胞の最後の列に置くようにならない限り、救いはない。非殺生は謙譲の極限である。

     

    ■以下は『獄中からの手紙』から引用です。

     多くの奉仕者たちは、自分たちは無私の奉仕に従事しているのだから、必要なものはすべて、また必要でないいろいろな多くのものも、民衆から貰って当たりまえだと考えています。このような思いが人の脳裏をかすめるとき、すでにその人は奉仕者ではなく、人民の圧政者になっているのです。

    いやしくも奉仕を志す人には、自分の安逸を慮る暇はありません。彼はそうしたことはすべて、主の手に委ね、報われるもよし、拒否されるもよしと考えます。従って彼は、自分の前のどんなものにも心を惑わされることはありません。彼は本当に必要なものだけを受け取り、他の物には目もくれません。その人は心に怒りを抱かず、平静であり、たとえ自分が不自由を強いられていると分かっていても、心中は冷静です。彼の奉仕は、美徳と同じように、そのものが報酬であり、彼は満足していられます。

    shr-horiuchi * こんな本を読みました * 21:34 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

    コメント

    コメントする









    トラックバック

    このページの先頭へ