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保阪正康著『昭和天皇』その2

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    保阪正康著『昭和天皇』(中央公論新社 2005年)

     

     以下、『昭和天皇』からの引用です。昭和64年1月7日午前6時33分に昭和天皇が崩御され、皇太子殿下が皇位を継承される儀式と葬送の儀及び様々な儀式に就いてついて触れています。

     

     皇太子が皇位を継承する「践祚(せんそ)の儀式」は、昭和64年1月7日午前10時1分に正殿松の間において行われた。この儀式は「剣璽(けんじ)等継承の儀」といわれ、新しい天皇とともに浩宮、礼宮、常陸宮、三笠宮、寛仁親王、高円宮、そして国の行事であるがゆえに竹下首相をはじめ三権の長が参列して進められた。皇位の印である三種の神器の「雨叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」の分身や「八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)」、そして御璽と国璽を継ぐことになった。「八咫鏡(やたのかがみ)の分身は賢所(かしこどころ)にあり掌典長が賢所奉告の儀を行った。

     

     午前11時から開かれた臨時閣議では、事前に用意されていた「平成」「修文」「正化」の3つの案から「平成」が選ばれた。元号法では、元号そのものを政府が決定し公布すればいいとなっていて、天皇の意思は直接にいかされることにはなっていなかった。この「平成」は政府の説明によるならば、中国の史記からの「内平らかに外成る」、あるいは書経の「地平らかに天成る」から取ったとされる。この元号は、翌1月8日から実施されるとも発表されている。

     

     新しい天皇による「即位後朝見の儀」は、1月9日午前11時から宮殿の正殿松の間にて行われた。各皇族も出席したが、三権を代表する首相、衆議院・参議院の議長、最高裁判所長官、それに政治家など出席者は243人にも及んだ。ここで新天皇は国民に向かって呼びかけを行っている。

     「大行天皇の崩御は、誠に哀悼の極みでありますが、日本国憲法および皇室典範の定めるところにより、ここに皇位を継承します。深い悲しみのうちにあっても、身に負った大任を思い、心から粛然たるを覚えます。

    顧みれば、大行天皇には、即位60有余年、ひたすら世界の平和と国民の幸福を祈念され、激動の時代にあって、常に国民とともに幾多の苦難を乗り越えられ、今日、我が国は国民生活の安定と繁栄を実現し、平和国家として国際社会に名誉ある地位を占めるに至りました。

     ここに、皇位を継承するに当たり、大行天皇の御遺徳に深く思いをいたし、いかなるときも国民とともにあることを念願された御心を心としつつ、皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たすことを誓い、国運の一層の進展と世界の平和、人類福祉の増進を切に希望してやみません。」

     

     大行天応の「大喪の礼」は国の儀式として、2月24日午前11時半から新宿御苑で行われることになった。しかし、この日には午前7時半から皇室行事としてのお別れの様々な行事も行われることになっていた。皇室行事には、「斂葬(れんそう)の儀」があった。これは一般でいう葬儀の意味をもつが、皇室行事としては伝統に基づく幾つかの約束事がある。

    憲法上の制約もあって、皇室行事と国の儀式とは明確に分けられることも発表された。

     

     平成元年8月4日に天皇と皇后は皇居・石橋の間で即位してから初めての公式の記者会見を行った。以下のその会見の一部となります。

    「憲法に定められた天皇のあり方を念頭に置き、天皇の務めを果たしていきたいと思っています。国民の幸福を念じられた昭和天皇を始めとする古くからの天皇のことを思い致すとともに、現代に相応しい皇室のあり方を求めていきたいと思っています。」

    「憲法は、国の最高法規ですので、国民とともに憲法を守ることに努めていきたいと思っております。私にとって憲法として意識されるものは日本国憲法ということになります。しかし、天皇は憲法に従って務めを果たすという立場にあるので、憲法に関する議論については言を慎みたいと思っております。」

    「現在の世界は、あらゆる国々が国際社会の一員という立場に立たなければ、人類の幸福は得られないという状況になっていると思います。したがって、国と国と親善関係の増進は極めて重要なことです。それには、人と人との交流が果たす役割も大きい者があると思います。私もそのような意味で、私の立場から、外国の人々との理解と親善の増進に役立つよう努めてまいりたい思っています。国際化にはいろいろの面がありますが、最も大切なことは、外国に人々に対して、それぞれの心を理解しようと努め、お互いに人間として理解し合うよう努めることが大切と思います」

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