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『労災認定』の判決から

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    2つの『労災認定』に関する産経新聞記事から。

    ■家での長時間労働による自殺に対しても労災認定が。

    沼津労働基準監督署は6月13日に、自宅に仕事を持ち帰り長時間残業を続けたキャノンの男性社員(当時37歳)の自殺について、過重な業務で精神疾患を発症したのが原因として労災の認定しました。
    労災申請をした妻の代理人によると、
    男性はキャノの富士裾野リサーチパーク(静岡県裾野市)に研究職として勤務していた平成18年11月30日、電車に飛び込んで自殺しました。
    職場は午後10時までしか残業できない決まりでしたが、男性は帰宅後や休日も深夜まで仕事を続け、同年8月末から10月下旬まで54日間無休でした。
    社内での勤務時間と合わせると、自殺前1ヶ月の残業時間は263時間に上ったとのことです。
    また直前にあった研究成果を発表する成果展の準備のため長時間残業を強いられた上、当日は慣れない研究分野の発表で質問にうまく答えられず、大きな精神的ストレスを受けていたということです。

    会社は「過労死・過労自殺」あるいは「うつ病」の労災認定に当たって、長時間労働や家庭での仕事に関しては、ほとんど指示したのではなく、本人が勝手にしたこととして証明はしてくれません。
    労災認定において、家庭におけるいわゆる持ち帰り残業を判断材料として考慮する上では、例えば奥さんが家計簿・日記等で実際の仕事量を記録しておくことも大切です。

    ■会社の飲み会の帰りの事故は労災として認められるか。

    会社内で開かれた飲み会に出席した男性が帰宅途中、地下鉄駅で階段から転落し死亡したのは労災に当たるとして、妻が中央労働基準監督署に遺族給付などの不支給処分の決定取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が6月25日、東京高裁でありました。
    男性は平成11年12月、勤務時間外にあたる午後5時から社内で開かれた会合に出席。約5時間後の帰宅途中、地下鉄駅の階段で転落し、頭を打って死亡しました。
    裁判長は「男性は会合を主催した部の次長で、参加は業務と認めるのが相当」と認定しましたが、「男性は業務性のある会合終了後も3時間近く飲酒していた」と指摘、「帰宅は業務と関連しているとは言い難く、労災とは認められない」と結論付け、1審東京地裁判決を取り消して原告の訴えを棄却しました。
    1審の判決では「忌憚のない意見交換などで業務を円滑に進めるために行われており、業務上の成果も出ていた」などとして会合を業務と認定し、男性の飲酒も業務の一環としていました。

    通勤災害の認定は、その直前まで実際に業務に従事していたかが重要で、会合も1次会は業務として認定されても、2次会・3次会となると業務とは認定されないようです。
    shr-horiuchi * 労災保険 * 21:36 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

    パワハラ自殺で労災認定

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       会社勤務していた男性(当時35歳)が自殺したのは、上司の暴言など「パワーハラスメント」(パワハラ)が原因だとして、男性の妻が労災を認めなかった静岡労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決が15日、東京地裁でありました。
       裁判では上司の暴言が自殺の原因になったことを認め、国に処分の取り消しを命じました。
       
       裁判長は、上司のパワハラを「男性の人格、キャリアを否定する内容で過度に厳しい」と指摘し、「男性の心理的負荷は、通常の上司とのトラブルから想定されるものよりも重い」と判断して、「男性は仕事のためにうつ病になり自殺した」と結論付けました。
       上司の係長から「いるだけでみんなに迷惑」「存在が目障り」「給料泥棒」「背中一面にフケがついている。病気と違うか」などとパワハラを受け、それが原因でうつ病を発症し自殺したとしました。
       男性の妻は、労働基準監督署に労災を申請したが認めらませんでした。そして会社と上司の係長に対して、約1億円の支払いを求める訴訟を起こし、昨年に和解が成立しています。
       
       今週号の読売ウイークリーに、サラリーマン応援企画として「会社を潰すパワハラ上司」が掲載されています。以下その抜粋です。

       職権を利用した言動によって、労働者の働く権利を侵害し、職場環境を悪化させるパワーハラスメント、いわゆる職場のいじめの増加は、各都道府県などが実施している労働相談からも明らかだ。
      東京都の労働相談に寄せられた「職場の嫌がらせ」に関する相談は、2001年度は2,671件だったが、2006年には4,277件と、この5年間で1.6倍にも急増した。

       パワハラは6つのタイプに分類されるという。
      ●リストラ型(仕事を取り上げるなどして、自己退職に追い込む)
      ●職場環境型(毎日怒鳴るなどして、精神的に追い詰める)
      ●人間関係型(希薄な人間関係のなかで、理不尽な批判などを続ける)
      ●労働強化型(少しでもミスをすると、見せしめ的な過重労働を強いる)
      ●過剰競争型(ノルマや成果が達成できないと能力が無いなどと叱責する)
      ●セクシャルハラスメント型(性的な嫌がらせ)
       この中で近年、増えているのが、人間関係型・労働強化型・過剰競争型だという。

       セクハラについては、今年4月に施行された改正男女雇用機会均等法によって、企業のセクハラ防止への「配慮義務」が「措置義務」に強化されたうえ、相談窓口の設置に加え、従業員への周知、啓発などが義務付けられ。
      是正勧告に応じない場合の企業名公表や罰則規定が設けられたこともあり、企業側はセクハラ防止策に力を注がざるを得ない状況にある。
      しかしながら、パワハラへの企業側の意識は、まだ充分ではないようだ。
      shr-horiuchi * 労災保険 * 23:02 * comments(0) * trackbacks(0) * - -
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