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『経営危機と雇用問題を考える』

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    セミナー:『経営危機と雇用問題を考える』1日目
            〜正規労働者の雇用問題を考える〜
    日 時:平成21年3月9日
    場 所:東京都労働相談情報センター池袋事務所
    主 催:東京都労働相談情報センター池袋事務所
    講 師:弁護士 海渡雄一氏

    ■雇用の危機の現状■
    世界金融危機がもたらした大不況の中で、まずは非正規労働者の雇用の切捨てが進行し、派遣労働者の派遣期間満了前の契約解除や、期間工のような契約社員の契約満了前の契約解除や更新拒否(雇い止め)により大量の失業者が出ています。
    今後は、正社員の希望退職の募集や整理解雇にもつながっていくと思われます。
    そして中小企業の中には経営を継続することが困難と、倒産ではなく会社解散による解雇も増加しています。
    今日の講義の中から、雇用調整助成金の急激な増加について触れます。

    ■雇用調整助成金制度■
    雇用調整助成金に係わる休業等実施計画届受理状況
    平成19年度(平成19年4月〜平成20年3月)は、
    事業所数で638件、対象者数で12,940人でした。

    しかし平成20年度(平成20年4月〜平成21年1月まで)は、
    事業所数で15,323件、対象者数で1,044,655人と前年度より大幅に増加しています。
    特に8月からは事業所数で100件を超え、
    12月は事業所数で1,783件、対象者数で138,549人、
    21年1月は事業所数で12,640件、対象者数で879,614人
    と雇用情勢の厳しさを窺わせます。

    ■中小企業緊雇用安定助成金■
    従来の雇用調整助成金を見直し、現下の厳しい経済情勢の中でも従業員の雇用維持に努力する中小企業事業主を支援するため、平成20年12月1日から創設しました。
    休業等(休業及び職業訓練)又は出向を行った事業主に対して、休業手当、賃金又は出向労働者に係わる賃金負担額の一部を助成するもので、失業の予防を目的とします。

    支給対象となる事業主は、従来の雇用調整助成金と変更はありません。

    支給額(助成率)の変更
    休業等(休業及び職業訓練)の場合、厚生労働大臣が定める方法により算定した休業手当又は賃金相当額(1人1日)に対する助成率が2/3から4/5に変更。
    出向の場合、出向元事業主が負担した賃金相当額に対する助成率が2/3から4/5に変更。

    この2月、3月はさらに申し込みが殺到することが予想されます。
    shr-horiuchi * 労働条件 * 22:41 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

    『派遣労働をめぐる問題を考える』

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      セミナー:『派遣労働をめぐる問題を考える〜労働のあるべきかたち〜』
      日 時:平成21年2月19日
      場 所:東京都労働相談情報センター池袋
      主 催:東京都労働相談情報センター池袋事務所
      講 師:派遣ユニオン 書記長 関根秀一郎氏

      今回は、派遣労働の相談に携わってきた講師の気になるお話を取り上げてみました。

      1)関根氏は派遣ユニオンの書記長であり、年末年始に日比谷公園の派遣村の設立とその運営に携わった責任者の一人として話された『派遣村報告』について。
      ■派遣村の概要■
      村民登録(2008.12.31〜2009.1.5)       505名
      ボランティア登録(2008.12.31〜2009.1.4) 1、692名
      カンパ(2009.1.15現在)              5、010万円  
      派遣村相談集計(暫定2008.12.31〜2009.1.5)  354件

      ■派遣村の経過■
      自動車・電機という輸出産業の大幅な減産に伴う大量の派遣切りが社会問題化し、その対応として2008年11月29日30日の派遣切りホットラインの開設から始まり、年末年始の”年越し派遣テント村”の開設・運営、そして新年2日からの厚生労働省の講堂の開放、さらに都内4箇所への派遣村の大移動にいたるまで、現地にて担当された講師の話だけに説得力があります。

      2)労働相談から見えてきた、今後問題になる事
      ■トルコ航空■
      トルコ航空日本人客室乗務員の労働条件は、時給1200円、年収にして220万円、トルコ人の3分の1であり、有給休暇も雇用保険も社会保険も有りません。
      その月のシフト次第で乗務がなく賃金が0の月もある。
      そして「派遣契約の中途解除」で、トルコ航空の日本人客室乗務員がいなくなる可能性があります。
      乗客の多くを日本人が占めろ飛行機に日本語の分かる日本人がいないのはサービスの低下もありますが、それ以上に、何か事故が起きた時に言葉が通じずに惨事を大きくしてしまう可能性があります。

      ■KDDI国際電話■ 
      かっては時給2500円以上の花形職業が、今では請負、非正規化、労働条件の切り下げを繰り返して、今や時給1300円〜1350円、3〜6ヶ月の細切れ契約となっています。
      そして2010年3月には、KDDIは「国際オペレーター通話」を終了して、すべてダイヤル通話だけにするとのことです。
      国際電話を利用する通信弱者を切り捨てることになります。
      これも自由化・民営化の流れのなかで通信事業の参入も廃止も自由化された結果と考えます。

      3)派遣相談で分かった、こんな所でも派遣?
      ■文部科学省■
      文部科学省が行った、全国学力テストの採点の一部をグッドウイルの日雇い派遣労働者が請け負っていました。
      記述式の回答では、採点時に正解例と誤り例が示されているが、どちらにも属さない回答も多く、担当者からの返事では正解と誤りが午前と午後では違っていたこともあったとのことです。
      こんな重要な採点を日雇い派遣労働者に任せていいのでしょうか。

      ■厚生労働省■
      年金の加入記録の問題が発覚して問い合わせが殺到し、急遽開設された”年金あんしんダイヤル”でもグッドウイルの日雇い派遣労働者が短時間の教育で、国民からの電話に対応していたとの事。
      shr-horiuchi * 労働条件 * 22:45 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

      『外国人雇用とダイバーシティ・マネイジメント』

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        セミナー:『これからの日本経済と外国人労働問題』その2
             『外国人雇用とダイバーシティ・マネイジメント』
        日 時:平成21年1月30日
        場 所:首都大学東京飯田橋キャンパス
        主 催:東京都労働相談情報センター
        講 師:株式会社アジソン 社長 相原滋弘氏

        日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づき来日したインドネシア人の介護福祉士候補の101人が1月29日に各地の福祉施設で介護福祉士の資格取得を目指して働き始めました。
        同様に来日した看護師候補者104人は2月14日から病院での就労をはじめる予定です。
        さらに今年中旬にはフィリピンとのEPAで、介護福祉士・看護師候補が最大で450人来日の予定です。
        人手不足が深刻な介護・医療業界では、始めての本格的な外国人労働者の参入に期待がかかる一方で、低賃金で働かせることで、日本人職員の待遇改善を怠りかねないと懸念する意見も出ています。
        しかしいずれにしても、今後は日本全体でも少子高齢化で労働力不足は確実であり、外国人の受け入れは避けられません。

        また、この不況で失業率も大幅に悪化し、製造業を中心に派遣等非正規労働者を中心に大量の解雇が問題となっています。
        特にブラジルからの日系人の解雇は、好況時には安価な労働力を求めて来日させ、不況時に真っ先に派遣契約の打ち切りは、日本人に対する不信感・嫌悪感を高める恐れもあります。

        外国人労働者とどう向き合っていくかは、企業の発展、社会の発展にとっても重要な問題です。
        外国人労働者をいかに受け入れていくか、ダイバーシティ(多様性)・マネイジメントが注目されています。

        ダイバーシティは多様性を意味、外国人とどのように向き合っていくかということだけではなく、女性の能力を正当に評価し活用すること、さらには高齢者であってもその知識・経験・技能を生かしていくことなど、まさに多様な可能性を人的資源として取り入れることです。
        実際に、女性を活用できない企業・組織は衰退すると言われて久しいのですが、日本ではまだまだ男性中心組織で硬直化しています。

        講義の内容から一部紹介します。

        ある外国人研究者の考え。
        1.「創造的経済」の時代に、繁栄は富の源泉である想像性豊かな人材を惹きつけられるかどうかにかかっている。そのためには厚みがある労働市場と開放的で「許容度」の高い社会環境が欠かせない。
        2.経済成長の3Tとはテクノロジー(技術)、タレント(才能)、トレランス(許容力)である。
        3.トレランスが低い日本、許容度は低ければ良質な人材は流れてこない。
        4.想像的人材は流動的で住みたい場所で魅力ある職場で仕事を選択する。
        5.彼らが住みたい場所は年齢、性別、国籍、宗教、性的傾向を問わない所である。
        6.日本ではこのような受け入れ体制が充分にできていない。

        開かれた日本になるため
        1.外国人との共生
        2.安い労働力としか見えないと、結果日本の国力が低下する
        3.外国人労働者により日本企業が変わり、日本も変わる。
        4.外国人であってもブルーワーカーには職業教育をし、ともに発展する気持ちを持つ。
        shr-horiuchi * 労働条件 * 22:52 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

        『いま、なぜ非正規なのか!』

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          シンポジウム:『いま、なぜ非正規なのか!
                     女も男も自立し、誇りのもてる労働を!』
          日 時:平成21年1月27日
          場 所:労働相談情報センター 池袋事務所
          主 催:東京都労働相談情報センター

          参加者:弁護士 中野麻美
               連合・非正規対策局長 龍井葉二
               均等待遇アクション21 酒井和子

          労働者派遣法の問題点、正社員と非正規労働者の賃金等の格差の問題、母子家庭の母親の労働環境等について、それぞれの立場で現状を紹介してくれました。
          今回は、シンポジウムで配布された2枚のパンフレットからの抜粋を紹介します。

          ■均等待遇アクション21のパンフレット
           仕事の種類が違っても、仕事の価値が同じなら、正社員もパートも、さらには派遣も、そして女性も男性も、賃金は同じ!!

          1)ILO(国際労働機構)100号条約
            同一価値労働に対する男女労働者の同一報酬に関する条約。
            1951年に成立し、日本では1967年に条約を批准しています。

          2)100号条約に関する、ILOから日本への勧告内容
           ・男女同一価値労働同一報酬原則を明確に表現する規定とするために法改正の措置を取るよう、厳しく指摘しています。
           ・男女同一価値労働同一報酬原則は、男女が行う職務あるいは労働を、技能、努力、責任、あるいは労働条件といった客観的要素に基づいて比較することを必要とするので、客観的な職務評価を促進するために、日本政府がどのような措置を取ったかを報告するよう求めています。

          3)これは、同じ職場で働く男女、正規・非正規に係わらず、同じ職務にたずさわるなら同一労働同一賃金を原則とする職務給につながります。
          一方で、賃金の決定には同一能力同一賃金という職能給制度もあります。

          ■ペイ・エクイティ・コンサルティング・オフイス(PECO)の事業案内
          ペイ・エクイティ(Pay Equity)とは同一価値労働同一賃金を意味します。

          このパンフレットに職務評価の手順がフローチャートで紹介されています。
          1)職務評価とは性差、職種の違い、雇用形態の違いなどに関係なく、職務の客観的な分析と性に中立な評価によって職務の価値を数値化することです。

          2)職務評価の手順
            /μ撹床舛鬚こなう職場を選ぶ
            ⊃μ撹床舛梁仂歇圓鯀ぶ
             女性と男性、または正社員と非正社員 
            職務内容を聞き取る
             職務項目の分類と各項目についての説明
            たμ撹床前儖会をつくる
            ザ般鎧惻┰颪覆匹慮‘
            職務記述書の作成
             職務を整理・分析し、職務内容に関する記述書を作成する。
            Эμ撹床舛諒法の選定
             男女、正規・非正規に係わらず中立であること。 
            ┸μ撹床船侫.ター、評価レベルを決める
             ファクターは知識・技能、精神的・肉体的負担、責任、労働環境
            評価点を出し、職務価値一覧表を作成する
            主要職務の平均点を出して、職務評価を比較する

          ■男女間での賃金格差、正規・非正規間での賃金格差をなくさなくては、本当の意味での、ワーク・ライフ・バランスもワーク・シェアリングも成果を上げることはできません。

          今回のシンポジウムでは、どなたからもワーク・ライフ・バランスやワーク・シェアリングに関する話題が出なかったことは残念です。
          「いまの状況はそれどころではない」ということでしょうか。
          しかし不況のときこそ、『等しく豊かに、等しく貧しく』そして『等しく幸せに』について考えるチャンスだと思います。
          shr-horiuchi * 労働条件 * 20:37 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

          『労働基準法の一部改正』

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            『労働基準法の一部を改正する法律案』
            平成20年12月 5日、成立
            平成20年12月12日、公布
            平成22年 4月 1日、施行

            改正法案の概要:
            使用者が、1ヶ月について60時間を超えて時間外労働をさせた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないものとする。

            つまり、月60時間を超える時間外労働の法定割増賃金を25%から50%に引き上げるということです。
            主旨としては、割増賃金率を引き上げることで、長時間の時間外労働を抑制する狙いがあるとされています。

            労働者側に有利な改正と見られますが、この改正法は改正というより改悪と考えます。これはやはり使用者に有利な法律です。
            ワーク・ライフ・バランスを考え長時間労働を抑制しようという時代の流れ、世界の流れと逆行するものです。

            この法律ではむしろ割増賃金さえ支払えば法律上の問題はないと、長時間の時間外労働を容認することになりかねません。
            60時間を超える時間外間労働とは労働者災害補償保険法の心身ともの労災認定の判断基準ともいえる月80時間の時間外労働に匹敵するものです。

            参考にILO(国際労働機構)の労働時間に関する条約を紹介します。
            1)ILO1号条約(1919年制定)
              工業に係わる労働時間。1日8時間、週48時間
            2)ILO30号条約(1930年制定)
              商業・事務所に係わる労働。1日8時間、週48時間
            3)ILO47号条約(1935年制定)
              すべての労働時間を1日8時間、週40時間とする。
            4)日本はこの労働時間に関する条約はいまだに批准していません。

            日本もILOの労働時間にかんする条約を批准して、事業主に対して罰則を伴う時間外労働の規制に関する法律へと改正すべきと考えます。

            ワーク・ライフ・バランスを推進する政策があり、この不況下でワーク・シェアリングも検討されるなか、やはり時代に逆行しているとしか考えられません。
            shr-horiuchi * 労働条件 * 21:52 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

            『外国人労働者問題』

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              セミナー:『これからの日本経済と外国人労働者問題』
              日 時:平成21年1月13日
              場 所:首都大学東京飯田橋キャンパス
              主 催:東京都労働相談情報センター

              今日のテーマ:国際労働移動の現状と問題点
              講 師:首都大学東京 准教授 丹野清人

              主に日系ブラジル人の労働市場から、彼らを対象としたあらゆる『エスニックビジネス』について解説がありました。
              今回は、『豊かな地域社会と外国人労働者』のレジメを紹介します。

              外国人労働者問題の現状の整理
              1.ワーカーとして働いている外国人労働者(日系人+研修生・技能実習生)はもっぱら労働コスト低減のために用いられている。
              2.誰にでもできる作業を任せておいて、誰でもかまわないから低賃金の外国人労働者でいい、こうした仕事だけしかないと、何年働いても労働コスト低減にしか役に立たない。
              3.外国人労働者が家族を持ったときには、次世代の教育に必要な投資を金銭的にも、時間的にも行えない環境にある。
              4.親世代の長時間労働は、子供の教育機会を奪ってしまう。
              5.企業の労働越コストの低減は、コミュニケーション能力を欠いた労働者でもよしとすることによって、地域社会と外国人の意思の疎通を欠かせることになっている。
              6.労働コストの低減という見える利益を得ている企業と、教育問題・犯罪・ゴミだしマナーといった地域の日常生活コミュニティーの不利益をもたらす。

              検討課題
              1.地域社会と外国人労働者がWINーWINの関係に至ることができれば、企業にとって有用な外国人労働者は地域にとっても有用な存在に変わる。
              2.外国人労働者を労働コスト削減の道具として見るのではなく、生産性の向上に寄与する産業人材として位置づけることで、外国人労働者も企業にとっての能力開発の対象と考えられるようになる。
              3.外からやってきて何も資源のない人をケアしていくには、企業には企業のできることを、自治体には自治体のできることを、国には国のできることをした上で、それぞれの取組みが有機的であることが必要である。

              外国人問題も、派遣・請負で働く日本人労働者も同じ立場にあることを痛感します。
              shr-horiuchi * 労働条件 * 22:30 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

              『STOP!過重労働』その2

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                セミナー:〜働く人の健康を守るため〜『STOP!過重労働』その2
                日 時:平成20年12月15日(月)
                場 所:東京都中央区役所
                主 催:東京都労働相談情報センター

                第2日目:過重労働による健康障害から働く人を守るために
                     講 師:過労死・自死相談センター代表 上畑鉄之丞(医師)

                1)過労死とは
                 ・循環器疾患を発症した中高年労働者の家族が、仕事による過労が原因として労災認定を求める運動の中で使用されるようになった社会医学用語。
                 ・過重な労働負担が誘因となり、高血圧や動脈硬化などの基礎疾患が悪化して、脳血管疾患や心筋梗塞などの急性の循環器障害を発症して死亡したり、永久的労働不能に陥った状態。

                2)過労死直前の徴候・自覚症状
                 ・普段にない疲労感
                 ・不眠
                 ・身体不調感
                 ・かぜ気味
                 ・頭痛(くも膜下出血)
                 ・胸部不快感(虚血性心疾患)

                3)過重労働と脳・心臓疾患の因果関係
                 ・長期間にわたる疲労の蓄積が脳。心臓疾患の発症に影響を及ぼすことが考えられる。
                 ・業務の過重性は、発症前6ヶ月間における就労状態を具体的、かつ客観的に見るのが妥当。
                 ・具体的には、労働時間、勤務の不規則性、拘束性、交代制勤務、作業環境のどの諸要因の関わりや業務に由来する精神的緊張の要因を総合的に判断する。

                4)最近の動向として労働安全衛生法の改定
                 ・1週間あたり40時間を超えての労働が、1ヶ月100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者が、申し出た場合は、遅滞なく医師は面接指導を実施する。
                 ・産業医は要件に該当する労働者に申し出を行うよう勧奨することができる。
                 ・面接指導の結果を証明する書面には、労働者の疲労の蓄積の状況その他心身の状況を記載したものでなければならない。
                 ・事業者は、記録を5年間保存しなければならない。

                5)安全配慮義務違反について
                 安全配慮義務違反とは、「労務の提供に当たって、労働者の生命・健康等を危機から保護するよう配慮すべき使用者の義務」とされています。
                この義務を怠ったため労働者が損害を被ったときは、事業主は損害を賠償する義務を負うことになります。

                「過重労働で自殺」に東京地裁が賠償命令。
                システム開発会社「JFEシステムズ」に勤務していた男性(当時43歳)が自殺したのは過重な労働によるうつ病が原因として、遺族が同社などを相手取り、計1億2685万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12月8日、東京地裁でありました。
                裁判長は、平成12年6月以降、男性が担当していたシステム開発の不具合で勤務日が繰り返し変更されるなど、男性の精神的負荷が蓄積され、7〜9月ごろにはうつ病が発症したと指摘し、その上で「男性がうつ病を発症し自殺を図る可能性があることは予測できたが、人員配置など適切な措置をしなかった」として、同社の責任を認め、自殺と過重労働の因果関係を認め、計7942万円の支払いを命じた。 
                shr-horiuchi * 労働条件 * 22:03 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

                『STOP!過重労働』

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                  セミナー:働く人の健康を守るために『STOP!過重労働』
                  日 時:平成20年12月8日
                  場 所:東京都中央区役所
                  主 催:東京都労働相談情報センター

                  第1日目:過重労働の現実を見つめる
                      講 師:弁護士 玉木一成(過労死弁護団全国連絡会議事務局長)

                  ■史上最高を毎年更新する「過労死」「過労自殺」の労災補償状況
                  1)脳・心臓疾患⇒「過労死」等事案の2007年度の労災補償状況
                    請求件数 931件  認定件数 392件

                  2)精神障害(うつ病)等の2007年度の労災補償状況
                    請求件数 952件  認定件数268件(内、自殺81件)

                  3)実際には、氷山の一角に過ぎません。

                  ■過労死・過労自殺の原因
                  1)長時間労働

                  2)業務内容が質的に過密で精神的・肉体的なストレスを伴う労働の増加
                    成果主義・実績主義
                    リストラ・合理化⇒正社員の減少、非正規労働者の増加

                  3)労働現場での人権軽視
                    いじめ・虐待・パワハラ・セクハラ

                  4)なぜ、労働者は過労死・過労自殺するまで働くのか
                    日本人の特質として「人に迷惑をかけたくない」、「人によく思われたい」などの心理が働いている。この特質を利用した労務管理が行われている。

                  ■過労死の認定基準
                  1)発症前1ヶ月間に、おおむね100時間を超える時間外労働が認められる場合には、業務との関連性は強い。

                  2)発症前2ヶ月ないし6ヶ月にわたってか、1ヶ月あたり80時間を超える時間外労働が認められる場合には、業務との関連性が強い。

                  3)精神的・肉体的過重負荷の評価要因
                    不規則な勤務
                    拘束時間が長い勤務
                    出張の多い業務
                    交替制勤務・深夜勤務
                    作業環境(湿度環境、騒音、時差等)
                    精神的緊張・心理的緊張を伴う業務

                  ■行政(労働基準監督署)の労災認定が否認されても、裁判で認定の判決が多く出ているので、労災認定の運用が緩和されるのではないか。

                  長時間労働で「うつ病」「過労死」「過労自殺」が増加する一方で、リストラ解雇、派遣切り、採用取り消しで就職が困難で生活に困窮する人が増加しています。
                  この問題の解決には『ワーク・シェアリング』を”政労使”が国民的レベルで真剣に検討する必要を感じています。
                  生活の質を変える、まさに日本においてもチェンジの時です。
                  shr-horiuchi * 労働条件 * 20:55 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

                  『若者のキャリアを考える』その2

                  0
                    セミナー:『若者のキャリアを考える』
                    日 時:平成20年11月28日
                    場 所:首都大学東京オープンユニバーシティ
                    主 催:首都大学東京オープンユニバーシティ事務室

                    2日目:『若者非正規労働者・若年無業者・学生のキャリアデザイン』
                       講 師:首都大学東京 基礎教育センター准教授 林祐司

                    ■フリーター
                    1)フリーターとは(厚生労働省)
                     年齢15歳〜34歳で、在学していない者のうち、
                     現在就業している者については勤め先における呼称が「アルバイト・パート」である雇用者。
                     現在無業の者については、家業も通学もしておらず「アルバイト・パート」の仕事を希望する者。

                    2)フリーター数は就職氷河期に急増したが、ここ数年は減少傾向にある。しかし25歳〜34歳の年長フリーターは増加傾向にある。
                    この急激な不況の影響で、再び急増する恐れがある。

                    3)フリーターの4つのタイプと、その支援
                    ○就職意欲も高く、やりたいことがある⇒職業訓練を通して求人紹介をしていく。
                    ○就職意欲は高いが、やりたいことがない⇒カウンセリンを通して「仕事興味の発見」というセミナーで仕事のイメージを歓喜する。
                    ○就職意欲は低いが、やりたいことがある⇒仕事世界のイメージが貧困なので職場に対する予備知識を与える必要。
                    ○就職意欲も低く、やりたいこともない⇒関係構築が難しい。しかし関係ができてくると「食らいついて」くろこともある。

                    4)何が原因で立ち止まっているのか、これまでどういった意識で働いてきたのか、このあたりをうまく言語化し、ともに考え、フィードバックしてあげることで対応。

                    ■ニート(NEET)とは
                    1)現在、仕事にも教育にも職業訓練にもない状態の者。

                    2)ニート数には、大きな変化は見られないが、ここでも25歳〜34歳の年長ニートが多数存在している。

                    3)ニートに求められる支援
                    ○個々の状態に見合った対応が必要。
                    ○本人の状態にあわせた対応が必要。
                    ○規則正しい生活・仕事継続のための基礎体力。
                    ○コミュニケーション苦手意識への対応。先ずは挨拶から。
                    ○就労体験を通じて社会への手ごたえをどう幹事させれ事ができるか。

                    4)”親や友人ではない新しい他の人間”いわゆる他者に認められようとする気持ちをいかに引き出すか。⇒緩やかな職業訓練プログラムを受けながらも心理的支えが必要。

                    ■労働・社会政策の未来
                    現状の雇用形態による二極化がキャリア形成をしづらくしている。
                    高い処遇ではあるが、長時間労働・転勤ありといった拘束性の高い正社員
                    低い処遇を受け、しかし拘束性は低い労働の非正社員
                    企業は正社員を減らし、非正社員を増やして、非正社員を人件費の抑制と景気の調整弁化している。

                    高処遇・高拘束、さもなければ低処遇・低拘束という状況でよいのか。
                    中処遇・中拘束という選択肢は、『ワーク・ライフ・バランス』を最重要と考え、『ワーク・シェアリング』の積極的な推進が必要で、『オランダ式ワーク・シェアリング』を労使双方で真剣に検討する時では。

                    『ワーク・シェアリング』という考え方は、不況時には話題となりますが景気がよくなると、いつのまにか忘れられて話題にもなりません。
                    しかしこれからは、QOL(生活の質)、両立支援、均等支援、少子化対策、若年労働者雇用、高齢者雇用を総合的に解決する最良の方法と考えます。
                    shr-horiuchi * 労働条件 * 10:39 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

                    『若者のキャリアを考える』

                    0
                      セミナー:『若者のキャリアを考える』
                      日 時:平成20年11月27日
                      場 所:首都大学東京飯田橋キャンパス
                      主 催:首都大学東京オープンユニバーシティ事務室

                      第1日目:『若手社員の定着と育成支援策』
                           講 師:株式会社トライアンフ社長 樋口弘和

                      『若者はなぜ3年で辞めるのか』と話題になっていますが、昔から3年で3割の学卒新入社員が辞めていくといわれていました。

                      大学卒3年目までの離職率の推移を見ると、90年代の半ばまでは1年目で10%前後、3年目で30%前後でしたが、96年から1年目で15%、3年目で35%くらいまで増加しています。

                      早期離職がなぜ起こるのかを、若手社員の意識・能力の変化から考えると
                      1)年功序列、終身雇用の変化
                      就職氷河期が10年以上も続き、先輩たちのあまり幸せでない社会人生活や両親世代の厳しいリストラ事情などを冷静に見て、若者は根本的に企業や社会をあまり信用していない。

                      2)長期視点よりも短期視点に変わっている
                      「成長したい気持ち」が非常に強く、きわめて短期的に成果を出したがる傾向が強い。「今の仕事をしていて、成長できるだろうか?」「この会社にいて得られるものがあるだろうか?」。そんな判断をたった1〜2年で下し、ないと感じたらスパッと辞めてしまう。

                      3)社会人としてのコミュニケーション能力の欠如
                      その一方で、携帯電話やメールがコミュニケーションの中心となったり、また、自分達と価値観が異なる大人たちとの接点が少ないまま社会に出てくる彼らは、とてもひ弱で、感情的な叱責や不合理なマネジメントに耐えることができないという側面も併せ持っている。

                      採用時にミスマッチを防ぐには、
                      1)会社説明会で自社の価値観をさらけ出す。
                      定着を前提とした採用では、会社説明会は「会社の価値観や考えを示す」場であると認識すべきであろう。「自社らしさ」を正直に語った結果、「価値観があわない」と感じた学生はここで辞退する。この学生は入社しても早期離職をする可能性が高いので気にしなくてもよい。

                      2)企業の面接力を上げる
                      企業がとるべき人材は、「その会社に入社して最も活躍できる」人材だ、そのためには単に優秀であるのではなく、応募者の中から自社に相応しい資質を正確に見極める必要がある。

                      若手社員の定着と育成支援には
                      1)即戦力ではなく育成を
                      まず大事なのは、入社後3年間は社会人としての人格形成期間であると認識して、しっかりと育成する覚悟を持つこと。
                      人を育成するという”投資”には時間もコストもかかる。それによる利益を得られるのは、育てた彼らが一人前になる5〜10年先のこと。

                      2)講師の提案は「かまってあげる」
                      「かまってあげる」を言い換えると「若者の目線に降りてあげる」ということになる。こういうと「そこまでして若者に媚を売らないといけないのか」「われわれの時代はとにかく我慢したものだ」という思いもあるだろう。
                      しかしながら、昨今の若者の意識が「会社依存型」から「自己キャリア形成型」へ変化していく中で、こちらから手を伸ばして彼らの時間軸、常識、想いを心から理解しようと努力し、コミュニケートしてあげることが大事だ。
                      その一例として適切な『メンター制度の導入』は効果を上げることができる。
                      shr-horiuchi * 労働条件 * 23:23 * comments(0) * trackbacks(0) * - -
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